2019年6月23日から路上演奏を始めました。

偶然にも、住んでいる街は楽器の路上演奏に寛容で、特に週末夜は駅付近でギター🎸の路上演奏をしている人を良く見掛けます。そして、ギターに興味がなかったせいか、演奏している音楽に興味がなかったせいか、ちらっと見る程度でいつも素通りしていました。しかし、バイオリンを始めてからは演奏、練習場所の候補の一つとして気になっていました。問題は、実質バイオリン歴3ヶ月程と言う事・・・。

路上演奏に関して調べてみたところ、申請して決められたルールを守れば簡単に路上演奏が出来ることが分かりました。ルールとしては演奏場所の範囲や時間帯、楽器を問わずアンプの使用不可など。アンプを許可してしまうと、それこそエレキギターで夜に凄い大きな音も出せてしまう訳ですから認めないのは当然かもしれません。それ故に、エレキバイオリンも使えないことになります。アンプを使用しない場合のエレキバイオリンの生音は、通常のアコースティックバイオリンの約10分の1程ですから、外で弾いても音が小さ過ぎて、弾いている自分自身に少しは聴こえるとしても、少し離れた所にいる人にはほとんど聴こえないので、全く使えない訳ではないですがメリットはないと思います。そして、必然的に選択肢はアコースティックになります。アコースティックにはアコースティックの良さがあり、エレキバイオリンにはエレキバイオリンの良さがあるので、どちらか一方が良いとは思いませんが、路上演奏するにあたってはアコースティックで弾くことにしました。

路上演奏を始める前に考えていたメリット

・当然のことながら練習になる←練習量という意味で
・仕切りのない外の広い空間でバイオリンの音を響かせられる楽しみがある
・人前で弾くことに慣れる
・これまで、アコースティックの練習場所は音楽スタジオくらいで、明らかにアコースティックでの練習が足りないので、非常に良い練習場所になる←練習場所という意味で

路上演奏を始める前に考えていたデメリット

・恥ずかしい、緊張するなど
・アコースティックだと音が大きく間違いを誤魔化せないので間違えると分かり易い(恥ずかしい)

結局の所、デメリットに関しては全てただ一つ、「人目を気にしてしまう」部分に寄るものなのです。「人目を気にしてしまう」ことさえ乗り越えれば、それを補って余りある恩恵(上記メリット)がある。そうは分かっていても、いざ一人でバイオリン、譜面台を持って、駅前の広場に行き、人が行き交う中、適当な場所で立ち止まって荷物を置いて、譜面台を立て始めて・・・と言ったことが出来るだろうか不安でした。しかし、恥ずかしい、緊張するなどは当然のことで、あれこれ考えても仕方がない。あれこれ考えたところで何も進まない。プロは普通路上で演奏しないですし、アマチュアなのは誰でも分かるはず。人の目を気にして恥ずかしいとか考えるより、少しでも練習して上達する方が圧倒的に大事。真面目にバイオリンを始めたのが2019年3月からですから、当然、人に聴かせるレベルではないですし、それでも路上で弾く以上は聴かれることになりますが、自分が楽しく練習出来ればそれで良いと。それに、許可も得て合法的に路上演奏する訳ですから、下手で仕方なくて音痴で迷惑でも遠慮なく堂々とやろうと。むしろ、びくびくしながら弾いていたのでは上達する訳もないですし意味がありません。

また、路上演奏に対して背中を後押ししてくれた動画があります。この子は数多くの演奏動画を投稿していますが、どれも素晴らしく、この子の動画を観ていなかったら路上演奏する決心はつかなかったかもしれません。憧れであり遥か遠い目標ですが、どの動画も何より楽しそうに弾いている演奏が印象的です。特に下↓の演奏は本当に凄いと思います。
The Best Violin Street Performer (Karolina Protsenko) – Faded (Alan Walker)

路上演奏許可証の一部

そして、思い切って始めてみることにしたのです。

路上演奏の始まり

初めて路上で演奏したのは2019年6月23日でした。始めるまではそれなりに色々と余計な事も考えましたが、初めての日がどの様な感じだったのかは既に忘れてしまいました。この記事を書いている時点で、路上演奏は計10回ちょっとかと思います。時期的に雨の日や天気があまり良くない日が多かったことや、基本的に週末しか出来ないのでまだまだ回数は少ないです。

見知らぬ人との交流

これまでの10回ちょっとの間に、複数の人から演奏中に声を掛けて頂きました。まず、路上で同じ様に楽器を演奏している人はフランクに声を掛けてくれる傾向があります。日本人の場合、文化や国民性の違いか、外国の人と異なり、見知らぬ人にいきなり声を掛けるのは一般的に抵抗がある、敷居が少し高い部分があると思います。普通は不審がられるので当然です。その様な中、同じ様に路上で楽器を演奏している共通点があるせいか、初めて見る同じ路上演奏の人がいると気になるのか、新参者には親切に初めましての挨拶をしてくれる人が多いです。反対に、普通に行き交う人で声を掛けてくる人は皆無に近いです。それもそのはず、足を止めて聴くレベルではないので素通りして行くという理由が大きいかもしれませんが、最初から自覚していることなので全く気にしません。それでも、路上演奏している人ではない、数名の見知らぬ通行人の方に声を掛けて頂く事も有りました。

路上演奏エピソード

〜エピソード1:初めてのリクエストと拍手👏〜
2019年7月?日の夕方。7回目の路上演奏だったと思います。演奏中に中年のご夫婦らしき2人が近寄って来たので軽く会釈し、「バイオリン珍しいですね〜」と言う会話から少し雑談をし、バイオリンは始めたばかりで練習中と話した上で、何か弾いてくれる様に言われたので練習中の曲から1曲弾きました。終わりには、2人に拍手までして頂いて、それがお世辞でも社交辞令でも嬉しかったのをはっきり覚えています。演奏が終わって女性の方に有名な曲ですよね?と聞かれて、ど忘れだったかもしれませんが曲名は当てて欲しかった。そしてお礼をして、頑張って下さいと言って去って行きました。下手でもメロディーが伝わっただけ今はまだ十分ですが、路上演奏での初めてのこの拍手は忘れないと思います。

その初めて拍手を頂いた曲のプロの演奏がこちら↓。バイオリンを始めてから他の演奏動画も良く観ているテイラー・デイビスさん。YouTubeで「Time To Say Goodbye Violin」で検索してトップに表示されました。素晴らしくて憧れます。
Andrea Bocelli Time To Say Goodbye (Violin Cover)

〜エピソード2:初めての写真撮影〜
2019年8月4日(日曜)の夜。8回目か9回目の路上演奏だったと思います。演奏中に一人のおじさんが近づいて来ました。いつも通り軽く会釈すると、やはりバイオリン(の演奏)が珍しいからか、「スケボーとかしてるのはいるけどバイオリンは新鮮だね〜」の様な事を言い、音大生?と聞かれました。思わず笑ってしまいましたが、バイオリン専攻の音大生がこの辺で路上演奏するはずもないですし、そもそも見た目の年齢から学生に見えるのもおかしな話です。最後には、スマホで写真撮っていい?と聞くので、じゃあ演奏中断しますね、と言うと、演奏したままでいいからと言われました。路上演奏している証拠に、自分もその演奏写真を欲しかったので自分もその写真欲しいですと言うと笑いながら流されてしまいました。今思うと、自分のスマホで撮ってもらう様に頼むべきだったと思っています。良く演奏しているの?と聞くので、まだ始めたばかりですが週末は出来るだけ弾こうと思っていますと答えました。ですので、今後もまた同じおじさんに見られたら声を掛けられそうです。何はともあれ、写真撮られるのも初めてですし、変な事に写真が使われなければそれでいいです。

〜エピソード3:初めてのアドバイスとお金〜
2019年8月8日(木曜)の夜。10回目の路上演奏だったと思います。演奏中に一人の女の子が近づいて来て近くにそっと紙切れのメモを置いて去って行きました。帰る時に拾って見てみようと、演奏終了後に拾って見ると驚きました、アドバイスが書かれていたのです。メモの内容と、その女の子の見た目の印象からして恐らく音大生、それもバイオリン専攻の。実際に頂いたメモが下の写真です。自分の路上演奏がたまたま目に入り、その場で紙にメモして渡してきたのだと思いますが、その親切心にも驚きました。バイオリン経験者の人に見られるとは全く予想してなかったので、幸か不幸かと言った感じですが、好意でアドバイスをくれたはずですから感謝しています。路上で弾いている以上、また会う可能性は十分ありますから、改めて頑張ろうと思いました。次に、その女の子がメモを置いて去って行った後、少ししてから、若い会社員らしき2人の男性が近づいて来ました。そして、少し演奏を見ていた後に、一人が何かをそっと近くに置きました。それは100円でした。バイオリン経験十数年以上とかで自信があればお金を入れる箱など置いてみても良いかもしれませんが、当然お金を入れる様な箱は置いていません。これは、演奏に対して敬意を表しての100円ではなくて、小馬鹿にしての100円では?と思ったりしましたが、お酒に酔ってもいなかったですし悪い方に考えるのはやめて、かと言って、お礼はしませんでしたが、程なくして去って行きました。そして、100円は有り難く頂戴して夏の夜の蒸し暑い中、帰宅途中にマクドナルに寄りマックシェイクを美味しく頂きました。

〜エピソード番外編〜
路上演奏を始めたのがたまたま、梅雨〜夏に掛けてだったせいか、ほぼ毎回、これまた想定外の生き物に出会います。それはゴ●ブリです。演奏中に近くで見掛ける事が頻繁にありました。近くを歩いている分には全然構わないですが、気付かないうちにバイオリンケースや鞄で自宅に連れて帰っていたと言うのは絶対に避けたいところです。日中と夜では街中の賑やかさも全然違いますし、両方の時間帯で弾いてみて個人的には夜の方を好んでいます。夜の割と静かな時間帯に弾く方が、音の響きも良く感じられるからです。しかし、夜の方がゴ●ブリと出会う率は高いので危険だと分かりました。路上で弾く以上、地べた意外に荷物を置くのは難しいかもしれませんが、少しでも地面との高さがある箇所にバイオリンケース、荷物を置く様にしています。あとは常にケースや鞄は閉じておくのが安全です。

路上演奏を始めて思う事

少しずつ慣れてきましたが、それでも、人が行き交う街中で立ち止まり荷物を置いて譜面台を立てる時には人の目を引くので、少しは気になりますが、緊張と言うほどではなくなりました。後は、最初の音を出す時、調弦で最初に音を確認する時など。しかし、弾き始めて少しすると、本当に緊張感は無くなってきた様に思います。緊張すると良い練習、と言うより練習そのものにならないので、緊張する要因を作らない様に心掛けます。人に見られている事を意識してしまう事が緊張に繋がるので、人に見られている事を忘れる様に、この箇所はもっとこうして弾く様にしよう、この箇所はこう弾いてみるとどうだろう、などと考えながらだと、人に見られている事などすっかり忘れてしまいます。今の段階では路上演奏と言うより路上練習で、路上でバイオリンを弾く様になるなど人生の中では想定外でしたが、上記のエピソードにも書いた様に路上で弾いているからこその経験も有ります。継続するのは何でも難しいですが、路上演奏も楽しみながら出来るだけ続けていこうと思います。また、残念ながら海外と比べると日本は路上演奏に対しての敷居が高く感じられ、それは海外ほど路上演奏が浸透していないからと思います。海外の様にもっと気楽に、気軽に路上演奏を楽しめれば良いですが、だからと言って路上演奏しないのは勿体無いとさえ今では思います。路上演奏なんて凄い、勇気がある、度胸があると言われたりしますが、「考え方を変えれば未来(人生)が変わる」と言う通り、人目を気にする事(下手と思われると恥ずかしいなど)と、貴重な練習の機会を逃す事を秤(はかり)に掛けた場合、人目など本当に本当に小さな事だと思ったのです。実際、周囲の人は自分が考えている程、何とも思ってないのですから。


全てはVIOLIN🎻上達の為に・・・